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多様な専門情報のおすすめ

近藤和子

Peering into the Woods

みんなのMITORI・研究会主催の勉強会の企画のために、多種多様な専門分野の方々とお会いして、語りあっています。

今はインターネットによる情報検索が普及。何でも検索すれば、わかる・つながる・助かると思われています。

ところが、インターネットや、雑誌などの活字媒体にアップされた情報はその人や、専門領域の持つ情報(何ができるか、助けられるか)の確定的なことしか掲載されていないものなのです。

それでも、専門以外の分野の人々が見たり聞いたりしたら、

”へーそんなことまでわかってるんだ。

そんな仕事もできるんだ! もしかしたら頼りにしてもいいのかな。”

と思っていただけることが多いのでは?

1 メディカルアライアンス 2015年 4月 創刊号 秀潤社

特集: 病院の入口から出口、その先まで

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これは主に医師を対象に、地域包括ケア時代に向けて、医療者が学ぶべき視点が多面的に編集されています。 一般的には、総合診療医師とか全人的医療分野の人医師や看護師の活躍の仕方を知るのに役立つでしょう。

2 看護管理 2015年1月号 医学書院

特集: 最期まであなたらしく生きることを支える「アドバンス・ケア・プランニング」

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これは主に看護師を対象に、病院での管理運営のための役立つ専門情報誌です。

これらに目をとうすと、いかに真剣にしかもすでに、病院でも地域でも、患者さんやその家族に、単なる治療というだけでない、人間としての”生き方”にかかわるテーマに医療者(主に医師と看護師)がチャレンジしているかを知っていただけると思います。

残念ながら、このような雑誌情報は、医療者とは関係ない、一般の市民の目にとまることがほとんどないことです。

先日、金沢の赤十字系の病院を訪ねた時、がん診療にチーム医療体制を取り込むために意欲的に取り組んでおられるドクターが、こう呟いていました。

「これだけ、看護師さんも勉強して、がん専門ナースも育ち、意欲的なのに患者・家族の方々は、いまだに食事のこと、入浴のこと、生活周りの相談も、医師にしてくる。

医師でないとダメと思ってる。というか、看護師に相談することであって、医師はむしろわからないことなんだという理解のされ方がない。

地方だからですかね。専門家どうしのチーム体制はどんどん進んでも、患者になりたての市民の方々が、事前に、今の医療相談関係はこんなふうになっているってことを知る機会は、そういえば、あまりないかもしれませんよね。」と。

いえ、ないわけではないのです。

今は市民対象の医学・医療講座を無料で、大学病院内や、行政の市民講座企画等で、繰り返し実施しています。それは全国共通です。

ただ、市民は、家族に病人が出ない限り、医療に関心がないのです。だから、知る機会をスルーしてしまう。

家族に病気の人が出たとたんに、動く。

それはまず、インターネットだよりです。

なので、みんなのMITORI・研究会と称して、MITORIをキーワードに、サーキュレーションしてみることの必要を感じています。

以上の2冊の情報誌から読みとれること、お伝えしたいことは2つです。

① 病気になったとき、まずは病院に行くのは正しい。でも診断と治療が確定したら、これまで病院で受けていた治療サービスが家に居ながらにして可能な時代が、もう、来てますよ。だから・・・

② 病院の看護師さんたちは、いろいろな専門知識をもっていて、私たちの人生の最期の生き方相談だって、できるのですよ。試しに、看護師さんへ語りかけてみてください。

という2点です。

そして、もう一つ、東大病院の健康と医学の博物館があるのをご存知ですか?

そこで、今年3月から2015年の8月9日まで、”死の真相を知る医学”法医学という企画展をしています。展示がすばらしく、わかりやすく、面白いですよ。行ってみて、覗いてみませんか?

どなたでも、無料で見られます。

「在宅死を妨げているのは、警察が関与して、検死だ、解剖だなんだと騒ぎになるからじゃない。あれ、何とかならないのかしら?」と、良く話題になります。

が、この企画展を見ると、”そうか!だから、簡単に在宅死から警察の関与をもっと簡単に~ 等とは言えないんだな、と納得させられます。

事件性との関わりを、解き明かすプロセスをじっくり見て、生活者としては、いざという時、警察に来ていただくことも、必要以上に傷つかないこと。どうぞ、調べてくださいという開示の仕方も心得ておくことの大切さも、わかる気がします。

その上で、高齢者の老衰により死亡診断の方法が、今よりもっと、簡便になる法的な規制緩和の対話も始まるような気がします。

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是非、一度、立ち寄って、見て、知ってみてください。

おすすめです。


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