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執筆者の写真近藤和子

家での看取りと地域力





2020年2月14日(金)は、




バレンタインデーでもあるこの日は

5名の参加者を得て開催できました。




毎回、意図しないのに、

自然と多彩な職種とお人柄で、

皆さんそれぞれにすばらしい人たち。




迷わずベストメンバー!

と呼びたくなる方々が集うところが、

このワークショップの魅力です。




そして皆さん、

それぞれがオリジナルの「看取り体験」を、

語って下さいました。




すべてのお話がそれぞれの人生を色濃く反映していて、

みんな真剣に耳を傾けます。



エピソードはバラエティに富んでいて、

看取りの話なのに、

ときには声をあげて笑ってしまったりもします。




また今回、

ご実家が薬局業を営んでおられたという、

Tさん(70代)のご経験は、

時代の移り変わりも感じられる印象的なお話でした。




許可を得てほんの概要だけお伝えすると、

このようなお話でした。


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薬剤師として薬局を営んでいた両親のもとには、

地域の人々が、誰かが発熱したと言っては、

夜中でもかまわずどんどんとドアをたたき、

薬を求めにくる。



父は症状を聞き、

薬の処方で対処することもあれば、

医師を紹介することもあった。




いよいよ看取り段階だなと思う隣人が居れば、

訪問して慰め、ご家族に準備を促し、




ときにはまだ小学低学年だった私まで、

「このお年寄りのそばに付いていなさい」、

なんていって、

看取りを手伝わされたものです。



そのころ、

お年寄りはみんな家で亡くなっていましたから・・・。


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いかがでしょう。



近頃は、薬局といえばマツキヨ?

ドラッグストアのイメージが強いですが、

思い返せば「薬局」って、

すごく地域に頼られる存在だったなあ、と。




薬局とはいいながら、

ただ薬を販売するのみでなく、

さまざまな人の話を聞いて相談に応じていた。




ときには地域のカウンセラーでもあったでしょうし、

おそらくは情報交換の場だったでしょう。



ときにはまさに、

「看取りのDoulaドゥーラ」そのものでもあったわけです。




75歳以上の年代の私たちには、

まだまだ戦争体験や戦後の混乱、

飢餓体験が記憶に残っています。




それは、

「物」は不足がちだったけど、

その分、今よりも人間関係が濃かった時代というか、

人から人への情報が貴重な時代だったような気がします。




もちろん今は便利で、豊かで、素晴らしい時代ですが、

お年寄りのほとんどが「家で看取られていた」ことや、

夜中に薬局のドアをたたく光景などをイメージすると、




なんというか「地域力」のようなものは、

いまよりもきっと「しなやか」で「強かった」時代だったと思います。




「コミュニティ」を、

ことさらに打ち出さなくても、

言葉にするまでもないくらいあたりまえにそれがあった時代。



「いま」という素晴らしい時代に、

当時の温度、人の体温みたいなものを、

ほんのすこし注ぎ足すことができれば?



きっと2025年問題を解決できるくらいの、

大きなムーブメントになるに違いありません。




そんな構想に思いをはせつつ、

語り合いのひとときはあっという間にすぎていきました。





それと今日は、

初回の看取りのドゥーラワークショップにご参加いただいた方から、

素敵なご感想を頂戴しましたので、ご紹介します。





お名前を伏せさせていただきます。

また、こちらへの掲載には、

ご本人からの許可を得ています。




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看取りのドゥーラワークショップに参加して



 これまで、人生最終章を飾る「看取り」という言葉並びに行為は、看取る側が中心にあったと思います。看取られる側も「看取る側」と表裏一体をなすが、亡くなった人から直接話を聞くことはできないので、看取った側、殊に医療・介護職中心の体験談から看取られた側の思いを類推することが多かったようです。


 今般の「看取りドゥ―ラのワークショップ」は、ならば一般市民を含むなるべく多くの人から多様な分野・ケースに亘る看取りの体験談を集め、それを自分なりに咀嚼して「看取られる側」の実態に迫るという試みで、誠に時宜を得たものと見受けられ、大いに興味関心をもって参加した次第です。参加者の思いや体験談も多岐に亘り新しい発見もありました。


 医療技術の進歩とともに看取り期は益々長くなっていることを考えれば、その期間「看取られる側は何をしたいか、どうして貰いたいか」など自ら希望するQOLを元気なうちに突き詰めておき、家族・親しい友人・知人ともよく話し合っておくことが大事だと思いました。


 更に「看取り期」には「看取られる人」のそれまでの人生が凝縮され噴き出してくるように思います。「寄り添う」言葉も行為も「心と身体」の双方であり、「心に寄り添う」ためには「寄り添われる人」の過ごしてきた人生を断片的にせよ理解しているか、あるいは引き出すことが大事だと思うからです。



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人はいつか必ず亡くなるものだし、

ケアする人をケアする役割が、

まちがいなく必要とされているのです。




ご一緒にお考えいただき、

ぜひあなたのお知恵も貸していただけたら嬉しいです。




というわけで

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2020年 2月22日(土)、28日(金)、

3月6日(金)、13日(金)、20日(金)、27日(金)

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に開催します。



どこかで、

夕方18時に新宿御苑前に来られる日程はありませんか?




少人数制ですのでぜひお早めにご予約ください。




お待ちしています!


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