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執筆者の写真近藤和子

対話こそ、医療。




この年末年始に、

ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の優れた解説本と、

そして、ナラティブを軸にしたある診療所の本、

という具合に、たて続けに良書に出会いました。


(ブログの末尾で本のタイトルをご紹介します)



そしてつくづく、

「対話こそが医療であり、

本当の意味での情緒的支援になるんだ」

という思いを強くしています。



日々を忙しく過ごす中で、

こうした良質な情報に触れる時間は本当に貴重です。

これからおススメしていきたい本です。



私はこれまで、

小児看護、養護教諭、周産期、育児期の家族看護、

仕事と家庭の両立支援、更年期、介護施設の職員育成研修講師・・・というように、

ライフステージをなぞるようにキャリアを積んできました。



そして私の関心の軸は、

いまは「終末期医療」にあります。



現在、

一般社団法人日本尊厳死協会の理事をさせていただき、

リビングウイルの啓発や、

在宅医療の勉強会を企画するために、

みんなのMITORI研究会をたちあげたのも、

その一環です。



前回、

病院から在宅療養、在宅療養からサービス付き高齢者マンションへ、

という体験をされたSさんの事例をご紹介しました。



これから同じような体験をされる方がたくさんおられると思います。




「この病院でいいのだろうか?」


「自宅で過ごしたいが、家族に迷惑だろうか?」


「病院等に行きたいが、どこにすべきだろうか?」


「病院探しというより、気心知れた一人の医師を見つけたい」


「ケアをする職種の人と気持ちが合わない、不満がある」


「在宅サービスが使いこなせない」


「経済的な要素も心配」




・・・などなど、悩みは尽きないはずです。




そのような悩みにはもちろん、

地域包括ケアシステムというしくみが用意されています。




ただし制度がある、

機能が準備されているということと、

それを使いこなせていることとはまた別のことなのです。



手段的な支援

(医師・看護師・ヘルパー・理学療法士・OT・PT・ケアマネ・各種カウンセラー・臨床心理士等々)がととのっていたとしても、



それをご自身が選択するときの「悩み」、

「迷い」にはこたえきれないでしょうし、

本人の「孤独感」や「寂しさ」のような気持ちの面まではカバーしきれません。



もちろんそこも行政や専門の方にカバーしてほしいところですが、

専門職には時間的な制約があって、

本人やご家族との関係性が十分に築きにくいのが現実です。



それに、選択にあたって、

本人と家族との間の葛藤がうまれることがあります。



ときには専門職間においても、

治療(介護)方針に対立がある場合もあります。



簡単にいえば、

食事は料理して配膳してくれるサービスがあったとしても、

共に食べてはくれないのです。孤食になります。



専門のケア職の方たちも、

来てはくれるが、ずっと居てはくれない。



心のケア、孤独のケアの領域には、

空白地帯がいたるところにあります。



そうなるとご家族などの身近な存在が、

この悩みや迷い、孤独感や寂しさに接していかざるを得ませんが、

これも住居などの物理的な距離と、

世代間の精神的距離などがあいまって、

むずかしいことがあります。



医師や看護師に優しくされたい。

もっと良く説明をして欲しい。

でも、現実にはそれは難しい。



ようするに情緒的支援(エモーショナルサポート)は、

いつもどこかで不足しているのです。



情緒的支援が健康や精神に良いはたらきをすることは、

経験的にもわかりますし、

エビデンスもあることなのにです。



私はこの問題のひとつの、

まだ小さいけれども重要な解決策を提案しています。

看取りのドゥーラです。



つまり、

私たちひとりひとりが、

みんなで情緒的支援を担えるようになろうよ、

ということ。



日頃から死をタブー視せず、

受け入れる心構えをつくることで、

本人や家族が人生の最終段階をのりこえる手助けをしてあげられる人になれます。



特別なゴールや正解はありませんが、

心がけ(マインド)と、正しい知識(スキル)を持ってとりくめば、

最期まで看取られる人と関わりあい、

喜んでもらえる関係を築くことができます。



そのために、

看取りのドゥーラには、

3つの要素が必要となります。



それは、


①カウンセリングマインド

②ファシリテーションスキル

③コーディネートスキル



です。



そんな話題も紹介して語り合います。

あなたのご参加を期待しています。



お知らせ


みんなのMITORI研究会が主宰する「看取りのドゥーラワークショップ」では、

最新の看取り事例と「ドゥーラ」の概念をご紹介した後、

看取りについて語り合います。


知識として知るだけでなく対話する、語り合うことは、

情報収集の意味だけでなく、

それ自体が癒しや追想や共感といった、

ご自身へのフィードバックをもたらします。


ぜひ一度体験してみてください。



日程は下記となります。

ホームページからご予約のうえご参加ください。

2020年1月24日(金)、31日(金)、

2月7日(金)、14日(金)、22日(土)、28日(金)、

3月6日(金)、13日(金)、20日(金)、27日(金)


各回とも18:00開始 20:00 終了




追伸


本の紹介(おすすめです!)




「ナラティブホームの物語」 佐藤 伸彦著 医学書院



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