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執筆者の写真近藤和子

知ってほしい 東大病院老年病科のこと


2020年は、 誰にとっても忘れられない一年になりそうです。 感染症の脅威が世界を覆っています。 4月から受講生募集を予定していた、 看取りのドゥーラ養成講座も開校を延期することにしました。 特に、4月11日(土)に予定していた看取りカフェトークサロン。 「口腔周囲筋のはたらき」を歯科衛生士の田島菜穂子先生にお話いただく予定でしたが、 延期せざるを得ません。 非常に楽しみにしていたのに残念です。 特にこのトークサロンを主宰したかったのは、 口腔ケアは私たちの健康維持に直結する話題だからです。 ■口元も動かさないと病気になる そもそも人は(特に高齢者は)動かないと 「生活不活発病(廃用性症候群)」になりやすいのです。 つまり、安静を守るとか、大事にされるだけで、動かない、 使わない筋肉は衰え、 ひいては多臓器不全につながりやすいのです。 マスコミでもよく、 NHKの番組”ためしてガッテン!などで、 スロー運動とか、 遅筋を動かすスローステップ運動等、 簡単で、すぐに実行しやすい運動の紹介がありますよね。 エコノミー症候群という、 飛行機に乗る人への注意や予防運動もよく知られるようになりました。 生活不活発病への関心が高まっている証拠です。 そして、口の周囲の筋肉、 「口腔周囲筋」も、 意識して動かしていないと衰えます。 口元の衰えは多くの方が思っている以上に、 こわいことです。 マスクばかりして、 口が閉ざされると、表情に乏しくなります。 おしゃべりもしない。表情筋も動かさない。 口腔ケアも意識を向けていないと、 唾液を出す(唾液にはパロチンという若さと美容に欠かせない大事なホルモンがあります)、 舌を活発に使う(発音・発声・飲み込み・誤嚥性肺炎の予防のために)、 効用も忘れられがち。 口腔ケアは、 私たちの全身の健康や、 究極には肺炎の予防にも不可欠なことを知っていただきたいです。 トークサロンは、 コロナウィルス対策施策が 落ち着いたらまた企画しますので、 それまでお待ちください。 ■いま私たちにできることはなんだろう? 普段より時間ができたいまは、 あらためて私たちの健康とライフマネジメントについて、 考えるチャンスです。 仕事や予定が延期になったことで、 在宅していられる時間が長くなりました。 この時間を、私物の整理や、 人生会議(ACP・アドバンスケアプランニング)にあてることができます。 また、健康維持のための情報を、 ゆっくりとみなおすことができます。 ご自身の健康をきちんと振り返る時間が、 これまでどれくらいあったでしょうか? 正直、いつもは優先順位の後の方だったと思います。 ライフマネジメントについて考えることは、 今後の人生にとって非常に有意義な価値のある時間です。 「緊急」ではないけれど「重要」なこと、 それが人生や、健康について考えることです。 そこで、 今日は東京大学医学部附属病院 老年病科の存在を知っていただきたいと思います。 ■老年病科のすすめ みなさんは、 老年病科という診療部門があるのをご存じでしょうか? 東大老年病科は、 昭和37年本邦で初の老年病学教室として、 令和2年(2020年)創立48周年を迎えます。 主に75歳以上の高齢者を対象としています。 私は、 加齢、薬物有害事象、老年症候群 虚弱(フレイル)、 生活不活発病 認知症等の研究で知られる、 東大老年病科の秋下雅弘教授に、 主治医には宮尾益理子医師にお願いして ことあるごとにご指導いただいています。 歩くことや食べることが困難になってきたり、 元気がなくなるなど 様々な病状の患者さんを診て、 原因をたしかめたり、 高齢者総合機能評価という診断をしたりして、 検査・診断・治療を行っています。 阪神淡路震災、東北震災時には、 救援活動をとうして被災者の方々の特に、 生活不活発病への予防と対策を熱心に活動されていました。 物忘れ外来や、 女性医師による女性のための女性専用外来(予約制)もあります。 そして東大老年病科は、 これからの高齢期の私たちが幸福な人生になるようにと 様々な啓発活動を継続しておられます。 東大病院に来院される患者さんを対象に、 老年病科の医師たちが交代で、 患者さんと直接語り合う「高齢者教室」という講座も 長年継続されています。 地域市民向けに出前講座をしたり、 一般市民対象にわかりやすいパンフレットの編集制作等、 ヘルス・リテラシー向上への努力が続けられています。


みんなのMITORI研究会も、 東大病院老年病科の 「病気を治す」だけではなく全人的に「病人をよくする」ことを目標とし、 高齢者を個体として包括的に診療することで個々人に合った、 疾患の治癒のみならず生活の質の維持・向上に努めている姿勢、 テーラーメード医療という考え方も知っていただきたいのです。 さらに  最新の高齢者医療のための研究成果としての医療情報が 私たち団塊世代の仲間たちをはじめ、 一般の生活者や市民にもわかりやすく届くように、 お役にたちたいといつも願っています。 東大病院老年病科紹介のページを、 ぜひ一度ご覧になってください。

コロナ感染予防対策で、 自宅待機生活を余技なくされている私たちの生活の仕方に役立つ情報が満載です。 つまり、 どこにも出かけられなくなってしまった私たちが 「生活不活発病」に陥らないようにするために 何故、何を、どのようにしたらいいか? 対応策情報はきっと、 今の自宅待機生活のヒントになるでしょう。 特に、70歳以上の高齢者の方々にはきっとお役にたつはずです。 ■必ず収束する 大変な時期ですが、 いまだからできることに集中しましょう。 在宅勤務では、 できるだけ規則正しく生活しましょう。 手を洗い、人込みを避けましょう。 中国の感染減少(パンデミックの終焉)を予言した、 スタンフォード大学のマイケル・レヴィット教授は、 「感染のペースが落ちれば収束が近いサイン」 と言っています。 今わたしたちがさまざまな集まりを控えていることで、 感染者数は減少し、 きっとまた良い方向に向かうでしょう。 それまでこの貴重な時間をいかして、 身の回りを整え、 心と体の健康を維持し、 高齢期の健康管理から在宅医療や看取りまで あたらしいことを学びましょう。 ネット上でなら繋がれる今! みんなのMITORI研究会のブログをとうして 新しい高齢者医療の情報をわかりやすくお届けできる工夫を重ねて、 発信の努力を続けてみますので、引き続き、よろしくお願い致します。 みんなのMITORI研究会の合言葉 新しい言葉、新しい関係性、新しい解決策を求めて。 そしてまたお元気で、 お目にかかりましょう。






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