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近藤和子

看護と介護の連携


Taking the pulse of an older patient

言うは易く行うは難しなのが、実は現実!

看護と介護の連携の成功事例として《 四日市羽津医療センター附属介護老人保健施設》でのナイチンゲールKOMI理論の実践、取り組みをご紹介します。

「いつからが終末期なのか?」と、特養の介護施設の研修の場で良く聞かれます。

がんの末期患者さんなどは比較的医療者も家族も患者さん自身もそれぞれに、終末期(=病状が不可逆的かつ進行性で、その時代に可能最善の治療により病状の好転や進行の阻止が期待できなくなり、近い将来の死が不可避となった状態。:高齢者の終末期の医療およびケアに関する立場表明:日本老年医学会2003年)に入ったという時期を納得されます。

それは、全身のどこのがん治療であっても、治療や薬の研究成果のおかげで、エビデンスをもって、医師がここから終末期だと診断をつけることが可能だからです。

小説の世界では、”医者が匙を投げた”と表現される状態ですが、決して放り出すとか、医療者が投げやりになるというニュアンスでは受け取ってほしくないのです。

聖路加国際病院の日野原先生は、いつも、“ここで、医師はカルテにT・L・C(テンダー・ラビング・ケア)と記載。ここからが看護・介護の出番。本領発揮です。“とおっしゃってこられましたし、私たちケア職(看護、介護、緩和ケア専門看護師、今では看取り士とか、グリーフケアラー、臨床心理士等心のケアの専門家も、多様な職種が活躍するようになりました)の出番なのです。

何事も予定的、計画的に進行する、させることが大好きな現代人は(医師等は特に)自分は死ぬならガンのほうがいい、と良く感想を漏らされるのは、それだけ治療のプロトコールが明確で、覚悟が決めやすい。遺された時間の読みが効いて、思い残しのない人生計画が立てやすいというのが魅力になっているようです。

問題は高齢者の自然な流れの中で、その時!を推し量るのは意外に難しいものです。

エンド・オブ・ライフ=最期の時まで、より良く生きるとQOL(クオリティーオブライフ)の観点から考えていくと、特養等へ入所された日から、すでにターミナル期なのだと、おっしゃる方もいらっしゃいます。それも納得です。

在宅療養で、訪問主治医と家族というシンプルな関係の場合は、”もう、そろそろ””はい、そうですか”で、済む場合が多いでしょう。その時は、あ!うんの呼吸で納得。なんの問題もない。家族と医療者の信頼関係発揮!の大事な関係です。

ただ、チーム医療・介護の場で他職種が関わっている現場では、なかなか、そうもいかないので悩みの種です。何とか、高齢者ご自身もさることながら、そのご家族、さらには交代でケアを担当している介護職、看護職との、ここからはターミナルケアということにしようという共通理解を図ることに介護現場は様々に苦心されています。

家族やメンバーの誰もが納得でき、多様な職種間で伝達し、同じ方向でケアを提供していくには?という疑問に明確に応えている理論があります。ナイチンゲールKOMIケア理論です。

介護と看護の共通理解を広める一つの手法として、ご紹介します。

この手法にのっとってケアプランを作成し、記録されたKOMIチャートを表示すると、自然な生命力の低下が”見える化”されるので、チームメンバーの誰もが、患者さんの安定期・終末期・臨死期を、チャート記録で、見て、確認、共有でき、安心して臨終に向けてのケアに対応できると好評です。

詳細の解説・理論を学びたい方は下記へお問合わせください。

学会支援機構 〒112-0012 東京都文京区大塚5-3-13-4F

電話 03-5981-6011

Eメール komigonb@asas.or.jp

代表 金井一薫

平成27年度のKOMIケアセミナー基礎理論編6日間コースが本年5月から始まります。毎年、KOMIケア学会も開催されています。

「セミナー受講は無理」、とか、「その前にもう少し、どのようなものか知りたい」という方は書籍

金井一薫著「ナイチンゲールの看護覚え書」 西東社 2014

金井一薫著 実践を創る 新・看護学原論  現代社 2012

金井一薫著 実践を創る 新・KOMIチャートシステム 現代社 2013

をお求めの上、ご参照ください。

さらに、このKOMI理論に基づく実践記録、学会発表活動を展開している病院介護施設の看護職会員数は現在813名に達しているとのこと。

その中の一つ《 四日市羽津医療センター附属介護老人保健施設》は、komi理論に基づいたケア・システムを実践して、看護と介護の共同をみごとに実現しています。その取り組みの一例として、2009年に発表された論文を添付して紹介してみます。2013年の春、私は、実際に施設を訪問、視察させていただき納得しました。佐藤慶子 看護・介護部顧問の確かなポリシーに共感しましたので、ここに紹介します。

関心のあるかたは開いて見てください。

●生きる意欲を無くした入所者の援助から学んだこと

(老人保健施設におけるターミナルケアを考える) 四日市社会保険介護老人保健施設:サンビュー四日市: 佐藤恵子

金子美喜子 荒木知子 伊藤有美子 長井 比呂美

●KOMI理論に沿ったケアを実施する事で生命の幅が広がった事例 大好きな饅頭が生きる希望に繋がった。介護福祉士 西井 真湖 他3名

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