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近藤和子

第3回在宅医療の勉強会でのごあいさつ


第3回 看取り・新時代 勉強会 近藤挨拶

●皆様、ようこそ。桜咲く東大構内。そして第3回目のみんなのMITORI・研究会主催・≪看取り・新時代≫の勉強会にお越しいただきました、ありがとうございます。

●早速ですが、今、私たちは2025年問題への解決策を求めて、勉強中です。2025年問題とは私たち団塊世代が75歳を迎える。多死の時代。医療と看取りが病院から家庭へと大きな転換期を迎えているからです。

●私たちが家族を、在宅で看護・介護し看取る時、できるだけ、迷いを少なく、≪最幸≫の選択ができるように、 エンド・オブ・ライフ・ケア の医療情報をお届けしています。

●それは何が正しいとか重要だと誰の責任だとか、はたまた、得だ、ソンだという基準ではなく、私たちひとりひとりにとって、何を納得し、し・あ・わ・せ だと感じられるかを基準にしたいのです。なので この≪最幸≫の字は誤字ではありません。

●2025年問題は 首都圏の課題だと言われます。なぜなら、地方都市にはまだ充分に看取りの文化の伝承豊かな所がいくらも、あるからです。が 本日、お集まりの、皆さま、東京、多摩、千葉、神奈川、横浜、 埼玉、栃木 の かつての新興住宅地にとっては、地域力による看取りの伝承文化が育ち切れていないというのが、深刻な課題です。

●課題はなんといっても 連携のノウハウ、経験値が少ない事です。この10年、医療・保健・福祉の世界では、何事も、連携、連携、連携と、いう、言葉、活字が躍っています。まるで、連携と言えば、全てが解決したかのような勢いです。ですが、その中身は、患者さんとも、ご家族とも市民とも、多職種とも、コミニュケーションがなかなかうまくいきません。

一言でいえば、立場の違う人々との、≪間合いの取り方≫が、想像以上に難しいのです。

●鍵は、自己開示・自己表現です。多職種も、ご家族、市民のおひとりおひとりも、自分は何ができるか、できないか、なにを理想としているのか、何をされると嬉しいのか、何と言われる嫌なのか、怒りを感じるのか、お互いに冷静に、根気よく、諦めずに、自己開示、自己表現していただくことから始めたいと思います。

●幸い、この勉強会には、多職多様な、そして先ほどあげた首都圏全域からのご参加をいただきました。学会での事例検討会等は、資料の持ち出しも禁止、回収、秘守義務の確認もされます。が、そのことが壁になり、長くケア職の世界が一般に理解されにくかったと、考えて、この勉強会では、ここで話されたこと、ご紹介した事例は、全て、公開が大前提です。皆様の地域で職場で、ご家族で、どうぞ、話題にし、井戸端会議なさってください。

どれも公開していいという承諾を得るプロセスを丁寧に経ています。どうぞ、今日ご参加の皆さま、おひとりお一人が、みんなのMITORI・研究会のそれぞれのエリアの≪ザ・ファースト・ペンギン≫になっていただきたいと願っております。

● これまで、第1回目は 在宅医療に必要な3本の杭についてご紹介しました。

①国民の全てに、リビングウィルの考え方が浸透してくれること。 ②医療者の全てに、新しい老年医学、小児医学の情報が共有されること。 ③家族看護学という新しい≪ものの考え方≫を研究した看護学の活躍の期待です。

●これら、在宅医療の主な担い手は≪総合医師≫≪かかりつけ医師≫と呼ばれる医師たちです。

皆様は、≪総合医師≫≪かかりつけ医師≫という名称をご存知でしょうか?活躍の様子が理解されているでしょうか?すでにかかりつけ医師を決めておられるでしょうか?活用し、関係性を育てておられるでしょうか?これら、かかりつけ医師には、3つの力が期待できます。

① その地域を良く知っている ② 初期対応が得意で、処置の順番を決定でき、それにもとづいたより、深い専門家への紹介ができるネットワークをもっていること。 ③ その地域特有の予防医学・健康教育に熱心なことです。

この3つの力量は、地域の看護師、訪問看護・地域看護と呼ばれる看護職にも期待することができます。というより、むしろ、看護師のほうがこの3つの力量は豊かです。が、私たちはそれは医師の特権である、医師の≪診断と治療≫という職責とタイアップした時、最高の力量を発揮できることを良く知っています。良くわきまえています。医師もご自分の診断と治療が最高のパフォーマンスを引き出すのは、豊かな看護師の力量なくしてはかなわないことを、心底、良く理解しています。

なので、医師と看護師はいつでも、どこでも、両輪の輪です。

●この両輪の輪に搭載した車体は、今、2025年問題の課題解決に向けて猛スピードで走っています。すでにゴールイメージはできています。が、その達成のためには、多職種連携と言われる、多くのコメディカルとの連携が不可欠です。と、同時に、私たちは直感的に、もっと、もっと≪非医療者≫と言われる素敵なプロ市民の介入が必要だと感じています。

●その一例として、第2回目には ≪チャプレン≫≪ドゥーラ≫と呼ばれる医療職ではない職域の方をご紹介しました。2回目にご出席でなかった方々で、ご興味のある方はロビーでそのレジュメが多少ございます。数に限りはありますが、ご自由に持参なさってください。

そこでも課題はありました。

MITORIに非医療者の参加を一般の市民の皆様が受け容れてくれるかどうか、求めていただけるかどうかです。

●人生のどの時期にも 私たちの、生・老・病・死に寄り添ってくれる人が必要です。出産と死は隣合わせ、ケアのノウハウは共通していることも、ご紹介しました。

●そして、今日は、いよいよ3回目、勉強会のハイライトともいうべき、石飛幸三先生をお招きして≪平穏死≫のご紹介です。今、死期を伸ばす延命治療だけではなく、徹底的に治す、治療するだけではない考え方。死は敗北だという発想からのパラダイム・シフト=発想の転換のおすすめです。

●では一体、いつからが看取りなのか、いつ治療一辺倒の車から降りたらいいのか?その疑問に医療・介護者はどう応えているのかに注目してお聞きください。

●すると、平穏死は何もしないことではなく、その時点から≪T/L.C≫テンダーラビングケアという豊かなケアのスタートなのだということに、気づいていただけると思います。

●日野原重明先生は、欧米諸国のホスピスに広く行き渡っている、医師がこの患者さんはエンド・オブ・ライフ期に入っていると診断した証に、カルテに、TLCと書き記すということを繰り返し紹介してこられました。 TLCとは、医療的な介入ではなく、衣服・住環境・香り・花・音楽・優しい言葉かけ、触れ合い 等で、癒すことです。最期の死を納得のいく幸福なシーンとして演出するために。その一部の紹介を本日ロビーで展開中です、本日は休憩を30分おとりしますので、是非、皆さま、見て、聴いて、触れて、感じてみてください。

●さらに 聞き慣れない言葉が続きます。

地域医療、在宅医療、在宅看取り、 このことは次回、5月28日にご紹介します。

●さらに、グリーフケア、 グリーフワーク グリーフケアラー レジリエンス。このことは第5回目の7月16日にご紹介します。

●新しい言葉が、新しい関係性が、新しい解決策をもたらすかもしれません。みな様、おひとり、お一人の大切な選択のために、是非、お役立てください。

では、まずは、在宅医療に欠かせない、①地域力、②初期対応、③地域予防医学と健康教育のスペシャリスト訪問看護師の ≪訪問看護を知っていますか≫ 内田幸子先生のお話からです。

どうぞよろしくお願いします。

以上

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