2016年12月10日(土)に、 一橋講堂メインホールで行われた、 ”21世紀の死生観とメンタルヘルス” というシンポジウムに参加してきました。 詳細: メンタルヘルス関連三学会・合同大会 (後援:文部科学省・独立行政法人日本学生支援機構) http://www.sysconet.jp/mh3/program/data/program7.pdf たくさんのプログラム、総会、発表、 シンポジウムが同時並行で開催されていました。 そのなかで、 私の参加させていただいたシンポジウムは 司会を、
元永拓郎先生(帝京大学)、 上別府圭子先生(東京大学大学院医学系研究科) がつとめられ、 21世紀の死生観とメンタルヘルス をテーマに、 清水哲郎先生(東京大学大学院人文社会系研究科) 岩満優美先生(北里大学大学院医療系研究科・医療心理学) とともに 私、近藤和子(マザーリング&ライフマネジメント研究所所長・ みんなのMITORI研究会代表) がお話をさせていただくという、非常に光栄な舞台でした。 北里大学大学院医療系研究科・医療心理学教授の 岩満優美先生は、 がん患者の心を支えることとして
がん患者に不安や抑うつと言った心理的苦痛の言語化を促し、
それを共感的に理解・受容する 批判や解釈をしない支持的アプローチは 患者に自己肯定感をもたらすことへとつながる・・・ という内容の詳細なデータと研究成果の発表がありました。 臨床心理の世界の研究の発展ぶりは心強いばかりですね。 東京大学大学院人文社会系研究科 死生学・応用倫理センター特任教授の
清水哲郎先生は、 「死生学の誕生とメンタルヘルスの課題」としてお話され、 死生学という言葉の定義と研究領域の学問的背景の解説は 私にとっては目を開かれる思いがしました。 お二人の先生方との出会いが、 私にとっても大きな学びとなり、 これからの活動に力を与えてくれたと感じました。 私の発表ですが、 ケアの実践家として、 ”看取り・新時代”の全6回の勉強会を運営した立場で、 できるかぎり事例を語ってきました。 特に、 加藤シヅエ先生が98歳から104歳でお亡くなりになるまで、 ケア&ケアのアセスメントを担当させていただいた 実体験のお話をさせていただきました。 加藤シヅエ先生の来歴などについては、 ネット上にも詳しい解説がありますからご覧になってください。 私がいつも思い出すのは、 加藤先生が、 「明日ありと 思う心の仇桜 夜半に嵐の吹かぬものかは」 (親鸞上人絵詞伝) を口癖にしておられたこと、そして、 武士道の精神を日々解説してくださったことです。 6年間の毎週日曜日の先生との対話はほんとうに、 豊かな体験として、私の中に沁み、
亡くなられたけれど、 私の中で生きておられるという実感が得られました。 シンポジウムへの参加によって、 メンタルヘルスの研究や学問的発展は、 これからますます盛んになりそうな勢いが感じられました。 また、学問による論考と同じくらい、 実体験やその口伝といった、 生身の人間が体験をシェアすることの大切さを思いました。 シンポジウムや事例発表会は、 まさにその実践という気がしています。
これからの活動の指針が得られ、 勇気もいただけた一日でした。