わからないのだ、ということをわかってくれる人が欲しい
私がお手伝いをさせていただいた、 ある方の経験談です。
がん末期の妻が退院。
自宅に引き取り、ホスピスか在宅看取りかを迷いながら、 在宅医療・看護の体制を整え始めたときのこと。
訪問医師、訪問看護師、訪問薬剤師、訪問介護ST、ヘルパーさん、ケアマネさん、介護用の道具の手配等が一気に押し寄せてくるという感覚で、 矢次早に説明され、サインしなければならない書類の山。
いろいろな職種の人がいることはわかったけど、 何が必要で、誰が良いのか訳がわからない状態になった。
その時、ご主人がふともらされた、
『自分たちは、何がなんだかわからないのだ、ということをわかってくれる人が欲しい』
という言葉が忘れられません。
知っておくだけでもいい
元気な時には、死を意識する時間はほとんどありません。
その時にはどんなことが起こるか?
話題にすることもないし
リビング・ウイル、 A/C/P(アドバンス・ケア・プランニング)といった言葉にも なじみがある人はまだ少ないです。
患者・家族の気持ちは、 なってみたものでなければ、
なかなかわかりません。
突然に出会う、身内の死。 ほとんどの方が何の準備もなく、 混乱と哀しみが一気に打ち寄せてくるのが現実です。
私自身も、大切な人の死を複数回経験して、 ”グリーフ(喪失と悲嘆)”からの立ち上がりの困難を痛感しています。
試行錯誤を経て
知識は力です。
完璧な準備はできなくても、せめて、 「こういうことが起こるよ」と、 知っておくだけでも少しは衝撃をやわらげられるかもしれない。
大切な人の死に直面した時に、 「どのような人に助けてもらうといいのか」という知識だけでも、 より多くの人に、知っておいてほしい。
2016年に、
「みんなのMITORI研究会」を立ち上げて、 そんな思いを多くの専門家や仲間に問いかけてきました。
自分なりの仮説を検証する意味で、 新しいサービスを見つける模索のために在宅医療の勉強会を9回実施。 有効な専門家たちとのネットワーク構築には大きな成果がありました。
図書を指定しての読書会方式はどうか?
と、2017年は【明るい読書会】と称して、毎月1回1年続けました。
本を介してというのが人の集まりを可能にしたようです。 参加者同士、より深く語り合うことができたと思います。
朝日カルチャーセンター(千葉教室)にて 看取り準備講座を開講予定
そんな試行錯誤を重ねてきた結果、 今の私がたどり着いた教案が、
≪在宅での看取り準備講座≫です。
受講生の皆さんと共に、この教案を元に、
習作を繰り返していきたいと思っています。
静かなチャレンジを繰り返してみようと思います。
応援していただけたら、嬉しいです。
朝日カルチャーセンター千葉教室での講座のご案内
■講師名
マザーリング&ライフマネジメント研究所代表 近藤 和子
■講座内容
もし、あなたの大切な人に「最期は家で迎えたい」と言われたら、あなたならどうしますか? 本人の希望をかなえてあげるにはどうしたらよいでしょうか。話し合っておくべきことや、手配の仕方、心の準備など、本人もあなたも納得してその日を迎えられるように、ご一緒に考えてみましょう。あなたとあなたの大切な人との、幸せな看取り方を見つける準備講座です。
■日程
2018年 9/15 ・ 9/29 (全2回)15:30-17:00